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整備士コラム 2026.04.10

「冬になるとEVは走らない?」整備士が寒さとバッテリーの関係を正直に話します

栫
栫|八代店・整備士 不安なことは何でも聞いてくださいね。一緒に考えましょう!

「冬になるとEVって全然走らなくなるんでしょ?」

お客様からよくいただく質問です。正直にお答えします。冬は夏より航続距離が落ちます。これは本当です。でも「全然走らない」は言いすぎです。

八代店で整備士をしている栫です。毎日EVに触れている立場から、冬のEVについて「実際どれくらい落ちるのか」「なぜ落ちるのか」「対策はあるのか」を正直にお話しします。不安を抱えたままにしないでくださいね!

POINT 01

冬にEVの航続距離が落ちる「2つの理由」

冬にEVの走行距離が減るのには、ちゃんとした理由が2つあります。

理由1: 低温でバッテリーの性能が一時的に下がる

リチウムイオンバッテリーは温度が下がると、内部の化学反応が鈍くなります。容量が減るわけではなく、「出せる電気の量が一時的に少なくなる」というイメージです。気温が上がればまた元に戻ります。

理由2: 暖房に電気を使う

ガソリン車の暖房はエンジンが出す「廃熱」を使っています。エンジンが動いていれば勝手に熱が出るので、暖房で燃費が大きく落ちることはありません。

一方、EVにはエンジンがないので、暖房はヒーターで電気を使って熱を作ります。これが冬に航続距離を縮める一番の原因です。

つまり冬の航続距離ダウンは「バッテリーが壊れた」わけではなく「一時的に出力が下がる+暖房で電気を使う」の合わせ技です。春になれば元通りの航続距離に戻ります。
POINT 02

実際どれくらい落ちるの?

気になるのは「結局どのくらい走らなくなるの?」ですよね。整備士として毎日EVを見ている感覚でお伝えします。

季節・条件 航続距離の目安 夏比
春・秋(20℃前後) カタログ値に近い 100%
夏(30℃以上・エアコン使用) カタログの約85〜90% 約90%
冬(5℃前後・暖房使用) カタログの約70〜80% 約75%
厳寒期(0℃以下・暖房強め) カタログの約60〜70% 約65%

サクラを例にすると、カタログ値180kmに対して冬場の実走行は120〜140km程度です。日常使いなら十分足りる距離ですが、「いつも通りの感覚で走ると足りなくなるかも」という意識は持っておいたほうがいいです。

ただ幸いなことに、熊本の冬は雪国ほど厳しくありません。八代も大津も熊本市内も、真冬でも日中の気温は5〜10℃くらいあります。北海道や東北のEVオーナーさんの話と比べると、熊本はEVに優しい気候です。

POINT 03

冬場に航続距離を減らさない「3つのコツ」

整備士の立場からおすすめしている、冬のEVを快適に使うコツをお伝えします。

  • 走行前にエアコンで車内を温めておく——充電ケーブルをつないだ状態でエアコンを動かせば、バッテリーを減らさずに車内を暖められます。出発時にはすでに暖かい状態なので暖房を弱くできます
  • 暖房よりシートヒーター・ハンドルヒーターを活用——暖房は車内全体を温めるので電力消費が大きいですが、シートヒーターなら体が直接温まるので電力消費が少なく済みます
  • タイヤの空気圧を冬仕様にチェック——気温が下がるとタイヤの空気圧も下がります。空気圧が低いと転がり抵抗が増えて電費が悪化するので、冬は早めに点検してください

この3つを意識するだけで、冬場の航続距離ダウンはかなり軽減できます。特にプレコンディショニング(走行前の車内暖め)は効果が大きいので、ぜひ試してみてください!

関連コラム: EVバッテリーの寿命とSOHって何? 整備士が本音で解説 記事④ 吉田(八代店・サービス部長) POINT 04

熊本でEVを冬に使うって、実際どう?

熊本で整備士をしている立場から見ると、冬場にEVで困っているお客様はほとんどいません。理由は気候です。

熊本県の冬の平均最低気温は、八代で約3℃、熊本市内で約3℃、大津で約1℃程度。朝は冷え込みますが、日中は10℃前後まで上がる日が多いです。雪が積もる日数も年に数日あるかないか。この気候なら、EVのバッテリー性能低下はかなりマイルドです。

冬場に整備工場で相談を受けるのは「航続距離が減って驚いた」という内容が多いですが、実際に計測してみるとバッテリー自体には何も問題ないケースがほとんどです。気温が上がれば元に戻るので、安心してもらえます。

もし「自分のEV、冬の航続距離が気になる」という方は、八代の整備工場でも大津・健軍店でもいつでも相談してください。バッテリーの健康状態(SOH)を計測して数値でお見せしますので、安心材料になると思います。

自分の使い方で足りるか? AIシミュレーションで確認する 冬場の航続距離ダウンも加味してチェック
SUMMARY

EVの冬の航続距離ダウンは事実ですが、「バッテリーの故障」ではなく「低温による一時的な出力低下+暖房の電力消費」が原因です。春になれば元通りになります。

熊本のようにそこまで寒くない地域では、航続距離ダウンは夏比で約75%程度に収まることが多いです。日常使いには十分足りる範囲です。

それでも不安がある方は、ぜひKAT WORLDの八代・大津・健軍いずれの店舗にもご相談ください。整備士の栫がバッテリー状態を確認して、数字で安心できる材料をお渡しします!